Famer

有機の里、塔原町を訪ねて
堀田 直子さん(大阪府岸和田市)



有機の里 塔原町〔大阪府岸和田市塔原町〕は30数年もの間、有機農法に取り組んでいる集落です。今回はそこで有機農法に取り組む堀田直子さんを訪ねました。
ご本人はまさに有機農法のエリート。塔原で農業を営むご両親の元で生まれ育ち、農業高校・大学と進み、海外研修など、スキルを積み順風満帆の航海。結婚もされ、お子様も授かり、この上のない幸せで居たかのようでしたが、何かのボタンの掛け違いか、子供だけを連れてのUターン就農で「人生何があるか解らない」。しかしそこからがこの人のすごいところ。 うら若き(?)女性が農業に取り組むこのたいへんさに、ご本人は何とも感じていないのか、DNAがそうさせるか、瞬く間に中心的な存在となり、新規就農者への支援や地域活性化への努力、次世代のことを考える姿勢に頭が下がると同時に、異業種との交流も試みるエネルギーに農業への未来を託したく思いました。
農業家?農夫? 迷わず農夫と答えられました(笑)「何かと覚悟を決めて農業を始めた頃に作って、今も残る私の名刺の肩書きは『Organic Farmer』。この頃は、Organicを外そうかな~て思う。だって多分、丹精込めて作る農作物にそれぞれの農法を極める生産者の想いがあるんだろうし、生活がある。農法を主張しない農産物の中に、どれだけ素晴らしいものが含まれているか考えたことがある??? 逆に、今となれば、最先端とも言われるこの類の農法に真摯に向き合い、続く後輩たちに快く引き渡せるだけの大人な技術を確立している方々はどれだけいる???  いいじゃない農夫で。この面積でどんなけ儲かるっていうのが挨拶で、そんな薬使ってたら早く死ぬでって真顔で言える、膝と膝をつき合わせた関係を築きあって、いつの間にか、私のペースに巻き込んで農業が、そんなに悪くないって思ってくれる人がひとりでも増えれば◎」

土は過去も現在も未来もパートーナー
有機農法を続ける弊害が出てきているのも事実。牛糞・魚粉・鶏糞を使用。チッソ固定にリンは、カリは、と試行錯誤を繰り返してきた、先人達の努力苦労が積み重ねて来た結果が今あると思うし、力の落ちた土をどうすれば蘇るか、究極は自然農か、土に対する思いは切実だ。これからをどうするかを思案する、直子さん。先輩・仲間達と力合わせて取り組んで行くしかない、「食える農業」を目指したいと。
アピールの場として
今各地でオーガニックマーケットが盛んに開かれています。それに参加し、有機の里をアピールしています。先日も〔9月2日〕泉佐野市上之郷の意賀美神社で開催された「のんびりマーケット」に泉州地区初のオーガニックマーケットに参加されました。〔http://ameblo.jp/ei-leen
塔原では色々なイベントを今後も予定しているそうです。

掘田農園
住所 〒 596-0116 大阪府岸和田市塔原町204 [MAP]
TEL 072-478-8262
◎有機の里、塔原の野菜が購入できるところ
愛妻ランド 大阪府岸和田市三ヶ山町280-55  TEL.072-444-8002
大阪愛農食品センター 堺市中区小阪西町8-8  TEL.072-270-5411
http://www.osaka-ainou.jp/
自然食品ロッテル 岸和田市  TEL.072-437-2458
オーガニックショップ
&カフェアイナ 
泉南市幡代2丁目35-29 TEL.072-485-0261
http://organicaina.jimdo.com/
トゥールグレイス 泉南郡熊取町東和苑1-9  TEL.072-453-7201
http://true-grace.sakura.ne.jp/blog/
※毎土曜日に大阪市玉造と空堀商店街で朝市を開催。そこで購入することができます。


女ひとり、自然農に取り組む
「農園 宇ノ治郎」 射手矢順子さん(大阪府泉佐野市)




「有機から自然農へ」
今回私が訪れたのは大阪府泉佐野市にある「農園 宇ノ治郎」の射手矢順子さんです。射手矢さんはもともと農家さんではなく、ごく普通のお家の方でたまたまお見合い結婚で農家の射手矢家に嫁いでこられたと聞きました。最初はご主人も塾の講師など農家に関係ないお仕事をしておられて、内助の功でご主人を支え、三人の子供さんにもめぐまれたごく普通の奥様でした。
「約15年前ぐらいから子供にも手が掛からなくなって、余った時間を家庭菜園程度のものでした。始めてみるとおもしろくて、だんだんはまっていく自分がそこにある。家事をするより畑にいる時間の方が長くなり始めたことに気がついたのが6年前くらい。当然ながら慣行栽培で当たり前の農業を教えられた通り行なってきました。でも最初から農薬や科学肥料を使うことににはも のすごく抵抗がありました。疑問を感じながらも続けていましたが、ある時、有機無農薬栽培を長年行なう方と知り合い、勉強やら、お手伝いを重ねて有機無農薬栽培に切り替え取り組みました。数年続けましたがこれだと云う答えは見つからないまま時間だけが過ぎていく焦りのようなものがありました。そんな時でした、近くで自然農をしている人がいると聞き、まぁ話だけでも聞ければいいかと言う、軽い気持ちで押しかけ訪問しました。それが、今私の師匠の辻川さんです。一通りお話を聞き終わる頃にはもう答えが出ていました。それからは自然農一筋これこそが私が探し求めていたものだと思いました。」

「お師匠さんの教えは耕さず、肥料も使わず、自然の植物持つ力で野菜をつくる。土を作ることと言われてもただ返事だけする毎日が続きました。秋にベッチ、れんげ、ライ麦の種を撒くだけで何もしない、ひたすら草が生えるのを待つ。この草が枯れ始めてくると自然のマルチ効果を生み、微生物の発生を促し必要なものがすでに土にあり、これからやっと草を掻き分け野菜の苗を植えるのです。」

「将来の夢は地球環境にも、子供や孫達にも繋がっていく農として取り組み始めた、まだまだ思うようにはなっていませんがきっとうまくいくと信じがんばっていきます。このような農に興味ある方、教えることは私にはまだ出来ませんが一緒に勉強していきたいです。」

取材させて頂いて、射手矢さんの熱い情熱、思い、一生懸命がビンビン伝わってきました。これからもこんな熱い人をドンドン紹介していきたいと思います。